ロシア語能力検定試験 合格への手引き―3級・4級対策問題集

出題範囲や傾向を知り、効率よく対策問題をこなすには良著。加えて、文法事項は(ときにはイラストも交えながら)非常に分かり易くまとまっているため、たいへん評価できる。ただ、本書の値段が高いうえ、音声CDが別売りであるのが難点で、敢えて購入するよりは、公式の過去問題集(各級別・一部550円・送料別)を解く方が吉。もっと言えば、馴染みの深い愛用の教科書なり参考書なりを、ボロボロになるまで使い込む方がよいと思われる。日々の学習の延長線上に、検定対策へと通ずる道はある。両者を別個に考えるなんてナンセンス、日頃から4技能≪読む・聞く・書く・話す≫のバランスを意識した学習を心掛けていれば、その取り組みは正当に報われるはず。ロシア語検定の合格基準が求めるところも、それである。≪露検HP≫も確認いただきたい。もちろん、この一冊をやり通すだけでも、確かな実力が付く。それは保証しよう。[参考]◆改訂版『標準ロシア語入門』東一夫・東多喜子 共著／E.ステパーノワ 校閲／白水社音声CD付き。こちらが丸々代わりになるでしょう。独習者にはたいへんありがたい、練習問題も露文和訳・和文露訳が充実。4技能がまんべんなく鍛えられます。露検4級3級の出題範囲を十分にカバーしますが、語彙には注意してください。その獲得に貪欲さを欠くことのないように。