名探偵テスとミナ 消えたかんむりのなぞ

双子の様にそっくりな姫様＆メイドが、入れ替わって二分された人生を歩むみたいな、お約束の物語かと思いきや、大半は二人が協力して、いくつかの事件を調査＆解決に導いていく、読者参加型の謎解きノベルです。英国では既に4巻まで刊行されている人気作で、邦訳化も順次進められています。その作風は、概ね小学生向けに綴られており、某名探偵と言うよりは、某教授に近い作風で、その舞台も原著発刊国である、英国がモデルになっている印象です。また書面は、邦訳化に沿って縦書＆横書の変更だけで無く、イラストも若手イラストレーター【花珠】が日本向けと言える画風にローカライズされ、その掲載量も準絵本調と言える程に多いので、お子様でも読み易いかと思います。印刷は巻頭＆巻末を除いてモノクロなのですが、周り込みテキスト等のレイアウトも駆使して、謎解きが判り易い様に配慮もされています。尚、小学校高学年レベルの漢字を多用していますが、比較的大きな印字に加え、初見漢字だけで無く全ての漢字にフリガナが振られており、対象年齢は小学校低学年でも問題無いかと思います。総じて、100年ぐらい昔の架空王室を舞台にした、コミカル探偵ノベルと言え、児童文学としての知的要素＆品の良さも備えていますので、可愛らしいイラストも評価して、☆×5とします。