シークレット・オブ・ザ・タロット 世界で最も有名なタロットの謎と真実

この本の大きな特色は、今まであまり明らかにされて来なかったパメラ・コールマン・スミスにスポットをあてた上でウェイト・スミス・タロットを解説する、という点にあります。タロット「占い」としての解説も充分で、読むに値する一冊といえますが、初心者よりは、ある程度タロット占いに慣れ親しんで来た方がタロットに関する一層の知見を広めるのに役立つ一冊となることでしょう。タロット解説はディテールごとに丁寧に行われ、カードからどのような示唆が導き出されるかの参考材料となるでしょう。翻訳に携わった伊泉龍一先生による渾身の訳注および冒頭12ページに渡る「訳者による日本語版序文」も読みどころのひとつです。タロットを象徴からだけではなくパメラ・コールマン・スミス、アーサー・エドワード・ウェイトという二人の作り手の足跡を辿りながら「ウェイト・スミス・タロットには何が描かれているのか」を解き明かし、時には大胆な筆致を持って（翻訳者の伊泉先生が丁寧な訳注をされていますが）パメラ・ウェイト両名の「タロットへのおもい」を解き明かそうとした傑作といえるでしょう。